三浦展『第四の消費』、祖父江孝男『県民性の人間学』

大学院のソーシャル・マーケティングを扱う授業で紹介された課題図書。

日本の消費文化を4つの時限に分けて、それぞれの特徴を解説。消費論として目からウロコの分析が続く。

  • 第一の消費社会(1912〜1941)洋風化、大都市志向
  • 第二の消費社会(1945〜1974)大量消費、大きいことはいいことだ
  • 第三の消費社会(1975〜2004)個性化、多様化、差別化
  • 第四の消費社会(2005〜2034)ノンブランド、シンプル志向

地域コミュニティの捉え方や世代論でも「!!」と驚く話題が出てきた。

第四の消費社会のもう一つの特徴は日本志向である。
(中略)
たとえば2010年の内閣府の「社会意識に関する世論調査」によると、20代の男性では国を愛する気持ちが「強い」人が過去10年で15.2ポイントも増えている。女性では30代の増加が10.4ポイントと大きい。昔の人、年配の人ほど日本志向が強いのならわかるが、現在は、老若の差はあまりないのである。
(中略)
なぜなら若い世代ほど、親の転勤で日本各地を渡り歩いた、もしかすると海外にも住んだ経験のある人が多い。すると、いわゆる出身地というものがない。○○県生まれだから、こういう性格、気質であるというものがない。
(中略)
いわば「故郷喪失」の世代である。そういう世代は大体1960年代生まれから増えるが、彼らにとっての共通の故郷はどこかといえば、新潟県でも熊本県でもなく、日本ということになるのであろう。こうしたことが、若い世代に日本への愛を生み出す背景にあると思われる。

この説を受けて、大学生に「出身は県というより、『日本』という感覚がある?」と質問したら、そのとおり!と返答があった。若い世代は愛国心が強いらしい。

私は名古屋の出身で「名古屋人」「愛知県民」である感覚をもっている。けど、自分の娘たちが大人になった時に「逗子人」もしくは「神奈川県民」といった土着性を有するかといえば、そうならないように思う。

偶然なのか、大学院のほか授業で『県民性の人間学』が課題図書となった。

愛知県民の特徴で解説されたのは以下のとおり。

愛知県民はひとことでいえば、ケチで排他的だということになるが、見方を変えれば合理的で堅実そのものといえるだろう。

その体質は不況や難局にきわめて強いし、どんな事態になっても浮ついたり、慌てたりすることがない。自分の価値観に忠実で、周囲の動きに惑わされることなく着実に仕事をこなしていく。

ただ、残念ながら世界が狭い。人間的な魅力に欠けるところがある。極端を好まないから地味な印象になるし、部下から見ると愛知県人の上司は権威をカサにきるタイプになりやすい。

権力をカサに着るタイプが大嫌いな私は、愛知県民ではないみたい。
神奈川県民の方が当てはまっている。

要するに極めて都会的性格がつよいのであって、個人を尊重することをいつも中心に考え、なにごとにおいても合理性を重視する、これが神奈川県民の考え方の特徴だと言えるだろう。
なおこうした特徴は特に「浜っ子」と呼ばれる横浜の市民によくあてはまる。よそ者に対する閉鎖的な意識もあまり無いのだ。しかも民主的というか、総花的とでもいうのか、全員に平等なチャンスを与えようとする傾向が強い。
(中略)
そういった明朗さが神奈川県の長所といえるのだが、気候にも恵まれ、開放的な土地柄だけに競争心や忍耐力はあまり強くない。よくも悪くも「民主的」なのが、この県の特徴ということになるだろう。

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