政権交代は無理かもしれないけど、世代交代を

fujiyasyokudo

参議院選挙を終えた翌日、猛暑の海の家でカツ丼ランチ。選挙の結果が出て肌寒い思いがしつつ、特定の政党について論評することは控えます。

テレビの特番を見ていて、気になったことがありました。夜9時頃にチャンネルを変えながら視ていると、どの番組にも(NHK除く)小泉進次郎さんが出ていました。選挙特番というより「密着!小泉進次郎特集」でした。

そして思ったのです。今回の選挙は「いくら野党が頑張ったとしても政権交代はない」と言われていたなか、本当に望まれているのは、政権交代より世代交代ではないか、と。

先日、中学生向けに書かれた読んでいた本『ミライの授業』のなかで、「世代交代」について書かれた記述があり、衝撃を受けました。少し長いですが、引用します。

20世紀を代表するアメリカの科学史家、トーマス・クーンはコペルニクスの時代を丹念に研究した結果、驚くべき結論にたどり着きました。

コペルニクスの地動説は、彼の死後1世紀あまり、ほとんど賛同者を得られなかった。ニュートンの仕事も、主著『プリンキピア』が出てから半世紀以上、一般の支持を得られなかった。ダーウィンの進化論だって、すぐに受け入れられたわけではない。

それでは、こうした世界をひっくり返すような新説は、いつ、どのタイミングで、どのようにして受け入れられていくのか?

彼の結論は「世代交代」です。

つまり、天動説を信じる古い世代の大人たちは、どれだけたしかな新事実を突きつけられても、一生変わらない。なにがあっても自説を曲げようとしない。地動説が世の中の常識になるのは、古い世代の大人たちがこの世を去り、あたらしい世代が時代の中心に立ったときなのだ。

「世代交代」だけが、世の中を変えるのだ。・・と、そんなふうに言うわけです。

トーマス・クーンは、これを「パラダイム・シフト」という言葉で説明しました。パラダイムとは、簡単にいうと「ある時代に共有された常識」といった意味の言葉です。(中略)

古いパラダイムが、あたらしいパラダイムに移り変わる(パラダイム・シフト)のためには「世代交代」が必要である。古い世代の人たちに世界を変える力はない。世界を変えるのは、いつも「新人」なのだ。

近現代史の本を好んで読んでいます。日本は明治維新と戦後にパラダイムシフトが起きましたが、その主要因は「世代交代」と思います。旧幕府が打倒され、戦後の公職追放で要職者が表舞台から退場し、世代交代が起きたおかげで坂本龍馬が闊歩し、ソニーやホンダが生まれました。

変わらなきゃ、と分かっているのに変われない日本社会の現状。社会が変わるための必要条件は世代交代なのかもしれません。

政治に限らず、企業も同じです。私は最近、企業研修で「15年も経てば職場の風土はガラリと変わりますから」と話しています。その根拠は、各社で研修しながら年代別で属性や仕事観がまるで異なると実感することにあります。

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15年という区切りはバブル経済を経験したか否か。バブルを経験したおおよそ45歳を境目に、「経済成長」に対する捉え方が大きく変わると感じます。そして、45歳の人が15年たつと60歳になり、定年の年齢を迎えます(定年延長はありますが)。

かくいう私は45歳。1971年2月生まれで高度経済成長を体感しながら育ち、大学でバブルを謳歌し、就職は楽勝でした。それが私の卒業した翌年に就職氷河期になり、翌々年は超氷河期が訪れ、失われた20年に入社した世代は「ロストジェネレーション」と呼ばれました。

40代後半以降は「今日より明日はきっと良くなる」と信じており、事業計画で対前年度比110%アップといった目標を立てがちです。一方、20代・30代は右肩上がり成長の体感覚をもっておらず、経済成長といわれても今ひとつ実感がもてません。

ロスジェネ世代が経営管理職になる時代には、対前年度比の目標を掲げなくなるのでは?というのが私の予測です。

要は、私の年代以上の人は「経済成長」の旗を降ろすことができないのだと思います。アベノミクスがまさにそう。「人口減少社会が一層進み、日本のマーケットが縮小し労働人口が急激に減るなか、今後の経済成長はありえない」と統計数値や理論でいくら説明されても、古いパラダイムを持つ人は納得しません。

いま35歳の小泉進次郎さん、15年後には50歳になっています。脂の乗っている時期ではあるけれど、オバマ大統領が47歳で就任したことを思えば、せめて5年、できれば10年前倒しで政治にパラダイムシフトが起きてほしいと願います。

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