ドイツとイギリスの首相による演説を見て、だじゃれが思いつかなくなりました。

新型ウィルスの勢いが増し、重たい話題が増えてきました。

そうした暗い世情を、明るく前向きな気持ちで受け止めていこうと思いたち、だじゃれを毎日投稿することを自分の課題にしました。

先週まで、Facebookやブログに毎日だじゃれを投稿していました。一斉休校や買い占めを揶揄するような内容です。政府の方針を扱うときも、批判的にはならないように気をつけました。

日本では感染対策によって今のところウィルスを抑えこめていると報道があり、自粛ムードが少しゆるんだ感があります。

しかし、新型ウィルスによる肺炎がヨーロッパやアメリカにも飛び火して深刻な状況に陥っています。

ドイツのメルケル首相、イギリスのジョンソン首相が国民に呼びかけた演説が心に響きました。

国のリーダーが真剣に語りかける演説を見て、だじゃれが思いつかなくなってしまいました。

東日本大震災のとき、ビートたけしさんが語った言葉を思い出しました。

以下、NEWポストセブン「ビートたけしが震災直後に語った「悲しみの本質と被害の重み」」より転載です。

地震発生から間もない14日の月曜日に、『世界まる見え! テレビ特捜部』(日本テレビ系)の収録があって、スタジオに客まで入れてたんだけど、直前に取り止めたんだ。所(ジョージ)と相談してさ。こんな時に着ぐるみ着てバカやれないよって。とてもじゃないけど笑えないよってさ。

よく「被災地にも笑いを」なんて言うヤツがいるけれど、今まさに苦しみの渦中にある人を笑いで励まそうなんてのは、戯れ言でしかない。しっかりメシが食えて、安らかに眠れる場所があって、人間は初めて心から笑えるんだ。悲しいけど、目の前に死がチラついてる時には、芸術や演芸なんてのはどうだっていいんだよ。

オイラたち芸人にできることがあるとすれば、震災が落ち着いてからだね。悲しみを乗り越えてこれから立ち上がろうって時に、「笑い」が役に立つかもしれない。早く、そんな日がくればいいね。

常々オイラは考えてるんだけど、こういう大変な時に一番大事なのは「想像力」じゃないかって思う。今回の震災の死者は1万人、もしかしたら2万人を超えてしまうかもしれない。テレビや新聞でも、見出しになるのは死者と行方不明者の数ばっかりだ。だけど、この震災を「2万人が死んだ一つの事件」と考えると、被害者のことをまったく理解できないんだよ。

じゃあ、8万人以上が死んだ中国の四川大地震と比べたらマシだったのか、そんな風に数字でしか考えられなくなっちまう。それは死者への冒涜だよ。

人の命は、2万分の1でも8万分の1でもない。そうじゃなくて、そこには「1人が死んだ事件が2万件あった」ってことなんだよ。

 

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