大学院に進学し、「父親の育児」を研究テーマに選びました。
この分野で十年間取り組み(長女10歳/パパ歴10年)、パパ講座の講師として教える身でもあるので、父親向け育児書はほぼ網羅するくらいに目を通してきました。
・・’俺様イクメン本’は苦手なのであまり読んでません。
M1なので、修士論文を本格的に取り組むのは来年です。でも「父親の育児」のテーマは私にとっては自明の事柄であり、書き始めたら一気に終わるのでは。
なんて、思いました。
そこで、夏休み中にやっつけてしまおうと書き始めてみたもの、いざ書き出すと自分の見解の偏りや知識の浅さが気になって、文章が進まなくなりました。
・・手が止まったのは締切が間近でないのが一番の理由ですが。
そこで、関連書をもっと読み込む方針に切り替えました。そうすると、未読だった先行研究がやはりありました。
まずは1993年発行の柏木恵子先生編『父親の発達心理学』。骨太の学術書です。
柏木先生によれば、アメリカで1970年代後半から“忘れられていたもう1人の親である父親の再発見”があり、父親研究は1980年代に爆発的に増えたと。私も「父親の再発見」をしようとしているのだなと合点がいきました。
この時期までは、「父親」はその日の天気と同じように、毎日多くの人の口には上がるけれども、具体的にはほとんど何も取り組まれることはない」ということを認めざるを得ない状況だった。
一方、本書を読み込みながら、25年前の当時と今も父親の育児を取り巻く状況がさほど変わっていないと分かり、暗澹たる気持ちになりました。
日本では2010年の’イクメン’ブーム以降に父親たちの意識が変わったと認識されるのですが、にもかかわらず、実態として父親の育児行動は大して増えていない。
毎日新聞の記事で、パパ料理研究家・滝村雅晴さんが述べているとおり。
「滝村雅晴のパパ料理のススメ(5)料理ができれば自由が増える」(2018年8月16日)
http://www.sankei.com/life/news/180816/lif1808160003-n1.html
男性17分、女性3時間7分。この数字は、6歳未満の子供がいる家庭の夫と妻の家事時間の数字だ(総務省の平成28年社会生活基本調査から)。
夫の家事時間は少ないが、これでも5分だった20年前より12分増えているのだ。妻の家事は4時間8分から1時間1分の減少。その代わり育児時間は妻が20年前に比べて1時間2分増えて3時間45分に。夫も21分増えて49分と、育児に時間をかける傾向があるが、家事、育児とも夫婦間の格差は歴然としている。
父親の家事時間は、5分→17分
20年で3.4倍!
父親の育児時間は、28分→49分
20年で1.75倍!
母数が小さすぎるよね。。
と書いてみて、
なぜ
「分母」「分子」はあるのに
「分父」はないのだろう?
ついでに
「母音」「子音」があって
「父音」がないのはなぜだ?
気になる。
コメントを残す