17年前の個人的な感傷で、南町田のグランベリーモールへ向かいました。2000年4月に開業したグランベリーモールが来週の週末で閉店するとニュースで知りました。
グランベリーモールがオープンしたとき、このショッピングモール最大規模の店舗で店員をしていました。伝説のアウトドアショップ「REI」です。当時の写真で手元に唯一残っていたのがこちら。
ドットコムバブル崩壊に伴うシアトル本社の経営悪化と、南町田店の営業不振により、REIは日本から撤退しました。2年ともたずにREIジャパン伝説は終焉し、店舗はモンベルに引き継がれました。
もしREIジャパンが続いていたなら、きっと私は今もREIで働いているだろうと思うことがたまにあります。アウトドアが大好きなスタッフと仕事して、休みの日はみなで一緒にシーカヤックや山スキーに出かけました。本当に愉快な職場でした。
お店が閉店した後、大半の同僚は同業他社に転職して燦めく活躍をされています。当時頼もしかったボスたちのインタビュー記事を見つけました。
- THE NORTH FAITHブランドマネージャー・森光さん(参照:東洋経済オンライン「上陸40年、『ノース・フェイス』が売れ続ける理由』)
- パタゴニア環境プログラムディレクター・篠健司さん(参照:機関紙『地球のこども』「企業の責任における5つのステップ」)
- TREK社長・田村芳隆さん(参照:「自転車を売れば売るほど世界のためになる。そう豪語する田村芳隆社長の狙いとは?」)
ほかにも沢山、アウトドアショップやフィールドで活躍している仲間がいます。ただ、私自身はその後アウトドアからすっかり縁遠くなりました。失業した後にブラック企業を転々として遊ぶ時間がなくなり、世間から消息を絶った時期もあって、連絡をとらなくなっていました。
私の原点は17年前のREIグランドオープンにあり、本日はセンチメンタルジャーニーをしました。モンベルになった店舗を訪ねると、REIのカスタマーサービスで同僚だった若月さん(旧姓:五味ちゃん)がお店にいらして再会を喜びました。
お店めぐりをしていると、懐かしい思い出がいろいろと湧いてきました。
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店の前にあるクマの置物。駅前で飲み会してたら終電を逃し、熊の足元で一晩寝て過ごしたことがありました。マネージャーから「不審者扱いされるでしょ!」と注意を受けました。
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靴の試し履きで設置されたオブジェ。子どもたちの格好の遊び場となり、興奮しすぎてゲロした子も。お店が広くて迷子になる子が多く、週末になると迷子呼び出しの館内放送を何度もしました。
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高さ15mの人口岩ピナクル。雑誌やテレビでしばしば紹介されて、レジャースポットでした。REIのときは無料でした。親子連れで3時間過ごして何も買わずに帰る客に、クライミング部門のスタッフが苦悶。
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私はカスタマーサービスのリーダーとして入社しました。レジの責任者で、違算が頻繁が起きました。ミスの原因を探ったところ、私がレジに立っている時間帯に違算がでると判明。私がレジに立つのを止めたら違算がなくなりました。そんなこともあってイベント担当に異動願いを申し出て、販促担当になりました。
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オープン時にSUUNTO社から寄贈されたという大型コンパスです。子どもがガンガン飛び乗って割れるんじゃないかと心配でしたが、17年経ってもうんともスントも健在です。
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店舗にスターバックスが併設されています。オープニングの日は氷雨が降り、オープン日の開店前に行列されていたお客様にコーヒーを振舞うホスピタリティを発揮したのを思い出します。
それから、REIではフレンドリーな接客がポリシーの店舗でした。「お客様を親友だと思って接客するように」と指導したところ、スタッフのほとんどがビンボーだったので「私だったらこんな高いのは買わない」と言って、高額の商品を紹介しなくなってお店の売上的には逆効果だったけ。
私の接客も破茶滅茶でした。彼氏用のプレゼントを買い物にきた女性客に、風が吹いても火が消えないZIPPOのライターを勧めて「私のハートに火を点けて。風が吹いても消さないで」とセールストーク。笑いをとることにご執心でした。
そんな思い出のあふれたREI東京フラッグシップストア。ふりかえると、ちょっぴり酸っぱい思いになります。閉店が判ったとき、何もできなかった自分の力のなさが今でも悔しい。
17年前、REIに入社した当時、私は「アウトドアのライフスタイルを広めることによって、一人ひとりがいきいきと充実した人生を送る支援する」というミッションを抱いていました。いまは研修という手段で「自分らしくいきいきと働く」という志をもって活動しています。自分の軸は17年前と大きくは変わっていないと自覚しました。
そして、妻と知り合ったのがこのお店でした。オープン1周年記念イベントを行っている最中に付き合い始めて、1年後に入籍。その意味でも、REIは私にとって最後の青春でした。
急なコメント失礼します。
現在シアトルに住んでいる者ですが、家の近くにREIのフラグシップストアがあります。買い物目的じゃなくてもワクワクできるお店、アウトドアの良さを広めるためのミッションを掲げているお店を日本にいつか作ります。
現在23歳ですが、15歳までは神奈川県の海老名市というところに住んでいました。グランベリモールにあったモンベルの大型ストアはよちよち歩きの時から行っていて、お気に入りのお店でしたがまさかREIのお店だとは知りませんでした。
今回なぜあの大型ストア、商品ではなくライフスタイルや体験を売っているお店が消えてしまったのかを調べているところ、この記事に辿り着きました。まさか自分が日本で唯一好きだったお店が、元々はREIだとは思いも張りませんでしたが、納得です。
記事の投稿有難うございました!
コメントを書いてくださり、ありがとうございます。私もシアトルのREIに行ったことがあります。山の雑誌でREIが日本にできると記事を見た瞬間に心が躍り、当時勤めた会社を辞めて転職したのでした。南町田のREIも素敵なお店でしたよ。