豊洲ららぽーとのキッザニアに行きました。初キッザニアです。
もともとは、豊洲にある某企業でファミリーデイの相談に乗っていたなか、開催がこの日(3月20日)に決まり、「豊洲ならついでにキッザニアも」と予約したのでした。私が仕事している間に妻と娘たちで楽しんでもらおうと思っていたら、運良く(?)開催日が延期となり、私も一緒に見学することになりました。
逗子から電車を乗り継いで豊洲まで1時間半。9時すぎに着くと長蛇の列。人の多さに圧倒され、わが姉妹は初めての場所に戸惑いを隠せず、最初はぐるぐると施設内を回るのみ。何事も慎重で奥手なところは、私の子どもの頃とそっくりです。
親があれこれ指図するのも嫌だったので放っておいたのですが、3周回ったところで「パパは何がいいと思う?」と長女が尋ねてきたので、「化粧品とかいいんじゃない?」と言ったら、煙たがられました。そして「パパとちー(妹のこと)は別で!」と言い放ち、小学3年生は単独行動に移りました。
その後、奥手な次女と施設を2周回りました。「あれしない?」「これやってみない?」と誘うも、かぶりを振るばかりの年中さん。このまま手を引いて歩くだけで終わりそうな予感がしたので、はとバスに押し込みました。(ページ上の写真)
バスを降りると「何かつくりたい」と口にしたので、ソフトクリームづくりを申し込みました。いったん体験すると調子があがり、警備員と薬剤師もエントリーしました。
いずれも本番は緊張しっぱなしの次女でしたが、オリジナル・ピザを作り終えると、ご満悦な表情。
お姉ちゃんもカーデザイナーやフラワーアレンジメントなど楽しんだ様子。15時の終了時刻が近づき、稼いだ専用通貨を銀行に預けました。二人とも「また行きたい!」と喜んでいました。
以下、雑感。
実は、私はキッザニアを敬遠していました。
まず、「子どもの職業体験」と言いつつ、結局のところ、子どもをお客さんに仕立てて儲けるビジネスになっている点が気になりました。
仕事といっても「ワーク」や「ジョブ」を与えるのでなく、「タスク」をこなすに止まる点も弱いと感じます。キッザニアでは、働く喜び(「人は働くことによって、人にほめられ、人の役に立ち、 人から必要とされる」by 日本理化学工業 大山会長)を得ることは出来ないでしょう。
と、理屈っぽく考えていたのですが、引込み思案な娘たちがチャレンジし、体験を重ねながら自信を深めた姿をみて、「キッザニア、なかなかイイネ!」と思い直しました。
子どもが主役のプログラムで、親を相手にしない点にも共感しました。「子どもが主役」と謳いながら、親の都合で子どもを誘導し、落とし所を大人が決めているイベントのいかに多いことか。
キッザニアも、自分の子どもしか見ずにビデオカメラで追いかける父親が通行の邪魔で(運動会じゃないのに)、子どもに口うるさく命令する母親が耳障りでした(息子たちに母親の小言を上手くスルーする術を教えたい)。
一方、キッザニアの別な点が気になりました。
キッザニアでは、就活の合同会社説明会と同じ現象が起きていました。つまり、就活を始めた学生が、テレビCMで見たことのある有名企業と、消費者で馴染みのある会社に集中し、知名度のない企業を相手にしない現象です。
キッザニアの地図を眺めると、まるでリクナビやマイナビが主催する合同会社説明会の出展企業を見ているかのよう。
↓キッザニアのシティマップから画像切り取り↓
いまどきの就活は、人気企業に応募が集中するせいで選考の倍率がやたら高くなり、学生は沢山受けて沢山落ちる仕組みになっています。かたや、中堅・中小企業は応募が集まらず、学生集めに四苦八苦している状況があります。需要と供給のバランスが非常に悪い。
就職活動がキッザニア化している、とは言いすぎかもしれませんが、キッザニア感覚で就活している学生はいます。
キッザニア感覚の就活とは、「私は食べ物が好きだから食品メーカー」「趣味は読書だから出版社」「CAに憧れていたから航空会社」といった底の浅い自己分析と視野狭窄な業界研究で、有名企業のみエントリーすることを指します。
キッザニアはアトラクションとして優れたコンテンツであると思います。ただ、キッザニアで職業体験した気になった小学生が、いずれ就職活動を迎えたときに同じ感覚を保持したままだと危険です。有名企業で働ける人は、世の中のごくごく一部ですから。
できれば中学・高校までに、働く幸せと醍醐味を体感できるリアルな場がほしいところです。キッザニア的職業観から労働の実際へとつなげるプログラムが提供できていればよいのですが・・。
ということで、コヂカラ・ニッポンの出番を日本中が待っている。というのが、今日の結論でした。おわり。
コメントを残す