自治体の協議会や審議会の充実度は議長の手腕と担当職員の意欲で決まる

逗子市の近隣にある市の男女共同参画協議会に出席しました。
・・どちらの自治体なのかは上の画像をよく見たら判ってしまうのですが。

庁内会議等委員の女性比率や様々な事業の進捗状況に関する資料が配布され、委員が意見を述べる形式の会議でした。担当部署の職員が丁寧な仕事をされたことが伝わる資料でした。

ただ、資料で示された情報量が膨大で、読みこなすのに時間を要します。又、とくに落とし所がある議論ではないため、発言の方向が拡散しやすい。加えて、各委員は各人の専門や興味に基づいて発言するために内容が偏りがちで、進行が難しいタイプの話し合いでした。

今回の委員はこうした場に慣れている方が多く節度をわきまえた発言が多かったのですが、心配したとおり議論が各論に入り込み、演説を始めるシニア男性が現れました。

どうしたものかと思案していたら、議長が上手に捌いてくださり、活発な意見交換が維持されました。

具体的なファシリテーション技術としては、発言する際の範囲を定めて横道にそれないように促したこと。それでも物を言いたい委員が範囲からそれた発言をするのですが、議長は否定しないで受け止めて場の空気を悪くさせない配慮が巧みでした。

私が発言したのは一回。最後の方で「当局として手応えがあったことと、今後に力を入れたい課題を教えてください」と意見し、次回の宿題で託しました。

会議のあと、議長の木村麻紀さんとランチして近況報告をしあいました。ありがとうございました。

 


ここからは余談で。

これまで幾つかの自治体で男女共同参画や子育て支援等の協議会や審議会の委員を務めました。逗子市市民協働課で勤務していたときは内部スタッフとして懇話会等に関わりました。

その経験から思うのは、議長の包容力と担当職員の意欲で会議の活性度が決まるということです。

委員の発言のしやすさは議長が作ります。今回の会議も木村さんの手腕で発言しやすい雰囲気ができていました。

私が出席した会議で最も話しやすかったのは、神奈川県子ども・子育て会議です。議長は日産自動車元副会長の高橋忠生さん。並み居る専門家が委員として勢ぞろいするなかで、委員に一人ずつの発言時間をしっかり確保してくれました。

議長の包容力が抜群に高かったおかげで、私は父親の育児支援を繰り返し訴えることができ、その甲斐あってか神奈川県版父子手帳の制作と今年2月に県主催のパパイベント開催につながりました。

職員の意欲では町田市の男女平等推進センターが印象深いです。第三次町田市男女平等推進計画策定検討委員会と男女平等参画協議会の副委員長を務めました。

委員に就任したきっかけは、有楽町で行なっていたWLBのイベント会場に担当職員が訪ねに来て、直接口説かれたことでした。毎回の会議では当局の熱意ある行動ぶりが伝わり、出かけるのがいつも楽しみでした。

そのときの委員長は江原由美子先生(当時首都大学東京副学長、現在横浜国立大学教授)で、情熱あふれる語り口に感化されました。江原先生から男女平等参画とジェンダーの奥深さを私は学びました。

職員の意欲という点で、こうした会議に出るといつも思うことがあります。

会議で提示されるテーマや課題について最も詳しいのは誰かといえば、自治体の担当職員です。会議のテーマに業務として日々取り組んでおり、過去の状況や事例を調べ上げて会議に臨み、出席者で最も情報をもつ人物は担当職員です(ベテラン職員はとくに)。

なのに、ほとんどの会議では担当職員は事務局となって後ろに控えて、議論に加わらないことに違和感があります。企業でいえば、役員会の席上で担当者に発言の機会を求めない状況に似ています。

担当職員もディスカッションに加わればいいのに。実際に施策を展開するのは職員であり、彼ら彼女らの言い分を聞いたうえで委員が発言できると、より実効性の高い会議になるはずです。

ただその際は、職員の説明は必要以上に長くなる傾向があるので(感情を抑えた棒読み口調が続くと眠くなる)、会議が活性化するようにファシリテーターを入れる方がよいとは思います。

委員について思うところがあります。

高い専門性をもった委員は勿論いますが、市民委員は会議のテーマを専門にしているわけではなく、多少の経験をもとに感覚論の意見を述べる形になりがちです。そのレベルで言い交わされた発言は施策に反映されることはなく、「会議が形骸化している」と言われてしまう原因になります。

今回のような進捗状況の確認を目的とする会議で、委員に求められるのはチェック役です。外部による審査は必要なことではありますが、別に私がやらなくても・・と感じてしまいます。大量の資料をその場で示されて発言を求められるのもしんどいし、意見しても施策に反映させる手応えは乏しく、ヘタな注文をして職員に余計な仕事を増やしてしまうのが嫌な感じです。

そして委員の立場は外部者であり、言いっ放しが基本です。実行部隊は職員であり、委員が実行まで加われることはめったにありません。要は、市民協働の場になっていないので、意欲のある委員ほど不満や不全感を抱くことになります。

かつて、実行段階で加わりたくて意欲的な姿勢で協議会に臨み、具体的で前向きな提案をしたものの、担当者にその気がなくて暖簾に腕押し状態で空回りしたことがありました。何度かトライしたものの当局にやる気がないのは変わらず、会議を重ねるごとに失望感が増しました。口惜しかった。

やる気のある職員と仕事したいな。今回の会議は職員の熱意を感じるので期待しています。

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