パパがつくる、家族の笑顔のための「パパの料理塾」

料理力は仕事力。仕事ができる男は料理もうまい。
料理も仕事も必要な心がけは一緒。

麻布十番にあるビルの一室で、父親を対象にした料理講習が行われている。

その名も「パパの料理塾」。

主宰は、株式会社ビストロパパ代表取締役の滝村雅晴さん。

滝村さんは、日本で唯一「パパ料理研究家」の肩書をもつ。

パパ料理とは、男の手料理ではない。

自分が作りたいものを作る趣味の料理ではなく、パパが家族のために作る料理である。

パパの料理塾が開催されるのは、平日の夜。

麻布十番のキッチンスタジオに、日中の仕事を終えたスーツ姿の男性数名が集まり、それぞれが持参したマイエプロンに着替えて料理にとりかかる。

「こりゃ、うめぇ!」
「うー、たまらん!」

パパたちは歓声をあげながら、自分たちが作った料理を食べている。

パパの料理塾は、ビールで乾杯するところから始まるのが恒例だ。

「今日もお仕事、おつかれさまです!」

一日の仕事が終わってビールを口にすると、気分が解放されるように感じる。

乾杯のおつまみは講師が作ってくれる。このおつまみがまた、絶品の味。

もちろん、パパの料理塾は飲み食いするのが目的ではない。

狙いは、料理の作り方をマスターすること。

おつまみの作り方レクチャーが始まると、生徒たちは一斉にペンをとってメモをとり始める。

「オリーブオイルがなかったときはサラダ油で代用してよいですか?」など質問が活発に飛び交う。

そして、レクチャーが終わって講師の見本料理が始まると、生徒たちはスマホを手に動き始める。

自宅に帰ってから手順をおさらいするために、動画をとっておくのだ。

パパの料理塾は、一回の講座で複数の料理を学ぶ。

講師と生徒たちで作る料理は、どれもが美味しい。

おなじみのメニューも、ここで食べると格別な美味しさに感じてしまう。

手がけたメニューが出来あがるたびに、感嘆の声があがる。

「居酒屋で食べる料理よりも美味しい!」

復習料理することで、家でも同じ味を再現できる。

「居酒屋の料理が自分で作れるなんて凄い!」

美味しい料理を食べて、一度目の感動。自分でも作れると知って、二度目の感動。

パパの料理塾は、一食で二度の感動を味わえる。

美味なる料理をつまみながら、ビールやワインをたしなむ至高のひととき。

普通の飲み会と決定的に違うのは、会社の愚痴や文句などの話題が一切でないところだ。

パパの料理塾の会場は、パパが料理することの楽しさに満ちている。

常に笑顔があふれている。

パパの料理塾に通う生徒の中には「包丁を握ったこともない」という全くの料理初心者もいたりする。

でも、安心。パパ料理研究家は、包丁の握り方から教えてくれる。

生徒の中には日常的に家庭で料理している上級者もいる。彼らも新しいレシピを習うことで満足している。

パパの料理塾は生徒のレベルに関わりなく、チームを組みながら取り組むのが特長だ。

チーム作業するパパたちの手際がよい。

「野菜切りをお願いしていいですか。俺はフライパンやりますんで」

仲間と料理をつくるのは、とても楽しい。

お酒も入って、パパたちの会話は自然と弾む。

「この間きんぴら作ったら、野菜嫌いの息子が食べたんだよねー」

ここで、筆者自身の話しをしたい。

私の料理力は、初級者レベルである。

大学入学から結婚するまで一人暮らしが長く、自炊もしていたので料理ができないわけではない。

ただ、作る料理のレパートリーは少なく、鍋やフライパンで一品料理をつくるのがやっと。副菜やデザートを作ることなど、まずなかった。

パパの料理塾に通うまで、私は家で料理することがあまりなかった。普段の食事づくりは、妻が担っている。私が料理をしないのは、管理栄養士の資格をもつ妻に甘えているところもあった。

それでも、夫婦二人の生活だったときは料理したこともあった。妻は私のつくった食事を食べてくれた。

しかし、赤ちゃんが生まれて離乳食が始まると、離乳食を作らない私の出る幕はなくなった。

やがて子どもたちが大きくなって親と同じ食事をするようになり、私が作ることもあった。しかし、私が料理すると子どもたちはいつも残した。

子どもたちが私の作る食事を残す原因は、味付けが濃いせいだった。私は名古屋で生まれ育ち、濃いめの味が好みで、味噌をつけて食べれば何でも美味しく感じる味覚の持ち主である。

以前の妻は、私の料理の味加減が多少おかしくても目をつむってくれた。だが、子どもたちは容赦がない。かくして、濃い味つけの一品しか作らない私が食事を用意するのは歓迎されないムードが生まれ、私は家庭料理の出番を失った。

そんな折、滝村さんから「パパのための料理塾を始めるので参加しませんか?」と声がかかった。

トライアルで始まった回に参加した。その場で、5つの品を作った。全ての料理が美味しくて、感激した。

早速、パパの料理塾で習ったメニューを翌日の夕食で作ることにした。

最初にトライしたのは、ボロネーゼ。

それまで、スパゲティを作ったことはあったが、ゆがいた麺に市販のミートソースをかけるだけで済ましていた。今回は必要な食材と調味料を買い求め、レシピに従って具材を切り、味付けをきっちり行った。

自分で試食して味がやはり濃いめであるのを気にしつつ、家族が待つ食卓に出した。

子どもたちは無言で食べ始めた。

ひとしきり食べた後、感想を口にした。

「パパ、おいしいね!」

出来栄えの評価を緊張して待ち構えていたので、ホッとした。

「滝村さんレシピの料理なら作ってよし」

妻も太鼓判を押してくれた。

家庭料理で、私の出番が再び生まれた。

こうして私は、美味しい料理とビールを飲みたい動機も手伝い、パパの料理塾に通っている。

講師の滝村さんは「パパ料理研究家」の仕事以外に、企業や大学のPRコンサルタントもされている。デジタリハリウッドでスタートアップの広報を担当された経歴がある。

ビジネスマンでもある滝村さんは、料理の仕方をビジネスに例えてレクチャーしてくれる。子育て世代の男性の頭に、スーッと入ってきて分かりやすい。

曰く、料理は1時間で完了できるタスクマネジメントである。必要なリソース(食材)を集め、マニュアルに従って進めれば(レシピ通りに作れば)、仕事は必ず成功する(美味しい料理ができる)。

パパの料理塾では包丁の正しい切り方の指導もするが、むしろ包丁で怪我や事故を起こさないリスクマネジメントが強調される。

料理の基本動作として、大さじ・小さじで量をきっちり測ることの大切さが説かれる。料理で失敗するのは、基本動作ができていないのに自分のさじ加減でやろうとするからだ。

料理では段取り力も求められる。

買い出しや片付けなど前後の工程をきっちりこなすことが重要である。作るだけ作って皿洗いもしないのに「俺の料理はうまかっただろ?」とドヤ顔すると、妻の不満が鬱積して爆発しかねない。

料理も仕事も自己満足で行うものではない。顧客満足を獲得することが重要。パパ料理の顧客満足とは「家族の笑顔」であり、ソリューションは「家族が食べたいごはんを提供すること」にある。

そのためにも、クライアントである家族のニーズを把握することが欠かせない。つまり、妻や子どもに食べたいものを事前に尋ねてから、作るメニューを決めるようにしたい。

自分が作りたい料理(自分がしたい仕事)ではなく、家族が食べたい料理(顧客に喜ばれる仕事)を心がけること。料理も仕事も、マーケットインの発想なのだ。

質の高い仕事をするうえで、コスト意識も外せない。

私も昔やった記憶があるが、たまにしか料理しない男性は100g千円の高級牛肉や、年に一回しか使わないような調味料を購入しがちである。高価な食材を使って膨大な時間を費やせば、美味しい料理を作れるのは当たり前。

そうではなく、限られた予算と時間で結果を出すのが、できる男の料理術である。冷蔵庫の在庫管理を行ないつつ、野菜室に残った食材でパパっと作るパパ料理を目指したい。

パパの料理塾では、学んだことを実践し、習慣化する仕組みも出来ている。

塾生たちは習ったメニューを自宅で作り、出来た料理の写真を塾生同士のFacebookグループに投稿するミッションが授けられる。

投稿すると講師から寸評が入り、塾生同士で「いいね!」をしあうことで、料理するモチベーションを高めあっている。

パパの料理塾に参加すると、料理仲間のコミュニティに入れる特典もある。

そしてなんと、料理アプリ「FamCook」まで開発してしまった。

パパの料理塾で提供されたメニューはアプリのレシピ集に即アップされる。

FamCookは単なる料理アプリではない。便利な機能がいろいろと付いている。

目玉は音声機能だ。料理しながら「次」「戻る」など声で指示しながら進められる機能がある。おかげで、フリーハンドで料理を進めることができる。

紙や本のレシピを使って料理するときに濡れた手でレシピを触らなければいけないのが、いつも気になっていた。

このアプリが現れたおかげで、レシピを濡らさない気遣いから解放された。

FamCookは使い勝手がよく、優れもののアプリである。新しい機能が次々と実装される。

先日は、音声検索機能が追加された。

早速、子どもに「今夜、何が食べたい?」と尋ねると、「麻婆豆腐」の答えがあった。

FamCookのアプリを立ち上げて

「まーぼーどうふ」と話しかけた。

麻婆豆腐のレシピが出てきた。

FamCookのおかげで、自宅で再現するのが随分とラクになった。

 

パパの料理塾では毎回の最後に、落ち着いた頃合いを見計らって、滝村さんが長女との思い出の話しをされる。

滝村さんの長女・ゆりちゃんは1年近くの闘病生活を経て、8歳8ヶ月で天国に旅立たれた。


上記画像は「ビストロパパブログ」2012年1月13日より転載

パパの料理塾は、次の理念を掲げている。

家族で食卓を囲める回数は有限です

家族で一緒にごはんを食べる回数は有限です。

いつ誰が転勤になるか、介護が始まるか、病気で倒れるかわかりません。
食べることは、生きること。

誰かのための料理を作るのは、誰かを生かすこと。
料理ができることは、自由になれること。
自分も、パートナーも、家族も自由になれるのです。
健康で生きているからこそ、誰かを自由にしてあげられる、
思いやり料理に出会ってください。

人生100年時代を迎え、自分らしく生きるための料理を身につけ、
いくつになっても新しいことにチャレンジし、仲間を作り、
家族、仲間を愛する人たちの料理塾を始めたい。

そんな思いをもって「パパの料理塾」を立ち上げました。
一回でも多く、笑顔で食卓を囲む仲間を増やしたくて。

パパの料理塾 主宰・塾長
株式会社ビストロパパ代表取締役
パパ料理研究家
滝村雅晴

かつての私は一品料理しか作らず、作っても子どもたちは残した。

パパの料理塾に通ったおかげで、四品同時提供ができるまでに上達した。

いまではパパが家で料理するといつも、子どもたちは完食する。
もちろん「パパの料理はおいしい」と言ってくれる。

 

☆「パパの料理塾 6期生募集中」
http://www.bistropapa.jp/juku

美味しい料理をたらふく食べて、作り方まで学ぶことができてしまう。

飲み会で普通に5千円払うことを考えれば、受講料5,500円はすこぶる安い。

そして、受講して得られる何よりのご褒美は、家族の笑顔だ。

また今度、パパの料理塾の醍醐味を味わいに行くつもりだ。

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