NPO法人こども哲学・おとな哲学アーダコーダ代表理事で、逗子こども哲学教室を主宰されている川辺洋平さんが新刊を出されました。
こども×哲学。
一見すると不釣り合いな印象のある言葉ですが、本書を読み終えると、子どもたちがむしろ哲学にふさわしいかもしれない、と思えたりします。
わが家でも娘との会話で「なぜ?」がよく出てきま。世の真理について純粋に問う姿勢は、まさに哲学者。
私自身は、哲学というと大学の授業を思い出し、難解さに構えてしまうところがあります。
こども哲学の世界を学んだことで、哲学はもっと身近で、日常にあってもいいんだ、と理解できました。
川辺さん自身の体験談と、五人との対談で構成されています。こども哲学教室を各地で実践されている方と川辺さんの対話そのものが、哲学的です。
私が面白く感じたのは、次の視点でした。
こうした教室に関心のある親は、こどもへの教育効果を狙って通わせるのだけども、案外こどもたちに変化はない。けれでも、こどもたちの話しを聞いている大人側の内面に変化が現れ、わが子への接し方が変わっていく。
以下、河野哲也教授(立教大学文学部)との哲学対話まとめより引用。
子どもは知らないうちに社会や親という権力関係の中で「思っていても言えないこと」を抱えているのかもしれません。そして、その学校や親子関係の中にひそむ権力関係が、子どもたちの強い倫理観につながっているのかもしれません。
「こども哲学」にはそうした親と子ども、社会と子どもの関係を結び直す「態度」を保護者が身につける側面があるようです。
「こども哲学」で、変化していく保護者と子どもの関係は、子どもが安心して意見ができる場を生み、結果として思考力という名の「試行力(なんでもやってみよう)」という気持ちを芽生えさせるのかもしれません。
こども哲学のあり方は自由であっていいんだと分かったとともに、子どもと大人の双方にとって必要な取り組みなのだとも感じされられました。
「こども哲学〜アーダコーダのじかん〜」の記録映像が昨年配信されています。自主上映会されているとも聞きます。ご興味ある方はご一覧を。(52分あるので、ゆるい雰囲気の視聴で)
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