外山滋比古『思考の整理学』

文庫本の帯に、こう書かれていました。

刊行から35年・・・時代を超えたバイブル!
東大京大で2年連続1番読まれた本

恥ずかしながら、本書を初めて読みました。

平易な文章ながら、刺激的な思考スタイルで、心が踊りました。
バイブルは、バイブレーションな読書体験でした。

出だしの「グライダー」の章から飛ばしています。

学校はグライダー人間の訓練所である。飛行機人間はつくらない。
(中略)
学校では、ひっぱられるままに、どこへでもついて行く従順さが尊重される。勝手に飛び上がったりするのは規律違反。たちまちチェックされる。
(中略)
優等生はグライダーとして優秀なのである。飛べそうではないが、ひとつ飛んでみろ、などと言われても困る。指導するものがあってのグライダーである。

学校教育の限界について言い得て妙な説得力あり。

人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。受動的に知識を得るのが前者、自分でものごとを発明、発見するのが後者である。両者はひとりの人間の中に同居している。グライダー能力をまったく欠いていては、基本的知識する習得できない。何も知らないで、独力で飛ぼうとすれば、どんな事故になるかわからない。

しかし、現実には、グライダー能力が圧倒的で、飛行機能力はまるでなし、という”優秀な”人間がたくさんいることもたしかで、しかも、そういう人も”翔べる”という評価を受けているのである。

 

本章のラストはまさに「AIが仕事を奪う」。35年前に見通されていたのが凄い!

グライダー専業では安心していられないのは、コンピューターという飛び抜けて優秀なグライダー能力のもち主があらわれたからである。自分で飛べない人間はコンピューターに仕事をうばわれる。

その他、論文を書くにあたっての視点とヒントが満載でした。随所に線を引きながら読みましたが、引用はこの程度にとどめます。

帯には「”もっと若い時に読んでいれば・・・” そう思わずにはいられませんでした。」と書かれていましたが、私にとっては、今が読みどき。大学院で論文を書きたい年頃のニーズに、まさにピッタリ合致でした。

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