大学院の授業課題でサーベイフィードバックを行いました。Thanks to こまちぷらす。

立教大学大学院経営学研究科「人材開発・組織開発特論2」の課題で、認定NPO法人こまちぷらすさんにご協力いただき、サーベイフィードバックを実施しました。

フィードバックした内容は守秘義務がありますので外部には一切だしませんが、経緯の説明をしたいと思いました。

「人材開発・組織開発特論」の教員は中原淳教授で、中原先生が昨年4月に立教大学へ移籍されて始まった授業。私は経営学研究科の所属ではないのですが、先生のご厚意で昨年度の春・秋学期、今年度の春・秋学期と続けて履修しました。

文献の輪読、先生のレクチャー、学生が主体のワークショップを通して、人材開発・組織開発の理論と実践を学びました。

毎期ごとに進め方が刷新される授業でした。今期の課題で提示されたのは学生がリアルな組織に対して実際に組織開発を行うこと。フィールドワークはこの授業で初の試みです。

20名ほどいる受講生が4or5人のグループになり、それぞれ対象とする組織を決めます。他グループは所属するサークルやインターン先の会社などをクライアント組織にしたなか、私たちのグループはNPOを選びました。

授業の課題は、サーベイとフィードバックを行うことです。こまちぷらす代表の森さんと副代表の北本さんにメッセンジャーでサーベイのご協力を依頼すると、快諾ありました。

続いて、どんなテーマでサーベイを行うのがよいか相談するため、10月にアポをとって副代表からお話しを伺いました。

「いまの組織課題は何ですか?」と北本さんに尋ねたところ、「情報共有」と回答がありました。約50名のスタッフがいらして、5つの事業・13のプロジェクトを同時並行で進める組織です。チーム内および他部門との情報共有は組織運営の要です。

それならば、スタッフ全員にアンケートをとって「情報がどこまで共有できているか/どの手段で主に情報収集しているか/どんな情報を求めているか」といった事柄を客観的に把握できると打ち手が見えてきます。

その心積りで準備し、11月にもう一度、代表の森さん(写真左下)にアポイントをとって説明に伺いました。授業で同じチームの経営学部2年生の宮本さん(写真右から2番目)も同席です。

宮本さんからサーベイのポイントについて説明してもらうと、森さんから「今の課題はそこではないんです!」と力の込もった返答があり。詳しく聞くと、組織の意思決定のあり方が喫緊の課題であると分かりました。

代表としては「全員参加の意思決定」「みんなで話し合って大事なことを決めたい」と考えているものの、事業部やプロジェクトのリーダーが意思決定に関われているのかどうか、どのような意思決定のあり方を望んでいるのかを把握したいと。

私から「そうなると、アンケートでは実態把握が難しいのでヒアリングになりますね」と伝えました。すると「リーダー全員から話しを聞いてもらうことはできますか?!」と逆リクエストがありました。

一瞬、私の頭のなかで「そんな時間が取れるのか?」とためらいが起きました。が、12月はもともと修士論文の執筆で予定をブロックしていたこともあり、なんとかなりそうだと判断。私も腹を括りました。

そこで、こまちぷらすのリーダー皆さまにご依頼し、12月3日から24日にかけて12名の方々と個別ヒアリングをしました。
*ヒアリングを始める際に研究倫理と守秘義務を説明し、他言しないことを約束したうえで行いましたので発言内容については触れません。

ヒアリングは、調査の質問項目を終えたら雑談タイム。それぞれの方と愉しい会話のひとときを過ごしました。こまちリーダーの皆さま、ご協力ありがとうございました。

先日行ったフィードバック本番の場ではまず最初に、今回行う内容と目的を「組織開発の3つのステップ」をもとに説明しました。

前半でヒアリング結果を20分で説明し、後半で対話セッションを行う流れです。

現状をデータで提示したおかげで、「見える化」から「ガチ対話」へのステップがスムーズに、かつ効果的にできると実感しました。

対話の目的は平田オリザさんの言葉を借りて説明しました。

ディベート(議論)は、話す前と後で考えが変わった方が負け。
ダイアローグ(対話)は、話す前と後で考えが変わっていなければ意味がない。

ちなみに、イラストはこまちぷらすLINEスタンプです。
イラストレーターは、こまちカフェ店長の守家文子さん。

対話セッションでは経営のボードメンバーには別室で控えてもらい、リーダーのみで話し合いを行いました。代表・副代表がいると話せないわけではないのですが、対話できる人数には適正サイズがあります。

後半はボードメンバーが戻ってきて対話を続けました。話し合いのなかから次から試すプランが早速でてきました。

私も掘り下げた問いかけをいくつかしました。全員と個別ヒアリングをしたことで信頼関係を築けたうえで話せたのが良かったです。後半はちょっと突っ込みしすぎた、と後で反省。

こまちぷらすは現在も、素敵で素晴らしい組織です。今回のサーベイフィードバックが、さらに進化するきっかけになったとしたら、うれしい限りです。

最後に別な事柄として、個人的に良かったことをメモすると・・

社会デザインをテーマとする大学院に通いながらも、ソーシャルデザインをリアルに実践する授業はなく(あったとしても社会人大学院生がほとんどで時間とれず対応できない)。今回、人材開発・組織開発特論の課題でフィールドワークを行えたことで、思いがけず望んでいたことが達成できたのが大変あり難かったです。これで、心おきなく卒業できます!・・その前に修論を完成させなきゃ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA