天狼院ライティング・ゼミに提出した原稿が採用されました。「娘は狼である」

大学院は春休み。時間と気分に余裕が生まれたので「天狼院ライティング・ゼミ」の受講を始めました。

すでに受けていた友人数名の文章力が凄まじかったのと、会場が池袋で通学定期を使えたのが申込みの決め手でした。

初回講座が2月6日に池袋の天狼院書店内で行われ、通学定期を使って受講しました。天狼院店主、三浦先生の生講義は迫力がありました。

講座では、学んだスキルを使って毎週二千字の原稿を出す課題があり、毎週月曜夜が締め切りです。

一本目の課題は「女性活躍推進」の素材で書きました。二千字を書くのがやっとな状態で採用ならず。

他の採用された方の原稿を読みました。レベルが高くてビックリ!

「離婚という名のどこでもドア」
http://tenro-in.com/mediagp/70088

このレベルの文章力には、自分はまだ到達していない。採用されることを期待せず、二回目はゼミで習ったことの反映と、一回目の原稿添削でフィードバックされたことを意識して原稿を書きました。

素材は、人狼ゲームにハマっている次女。家族ネタで内輪ウケになっていないかと心配しましたが、そこも添削していただけました。

そして、なんと採用!
天狼院のWEBサイトに掲載されました。
http://tenro-in.com/mediagp/70939

期待していなかったこともあり、うれしい。

以下、原稿を転記します。「天狼」と「人狼」をかけたオチが気に入ってます。
よければ、天狼院メディアグランプリのWEBサイトで他の原稿もご覧ください。
http://tenro-in.com/category/mediagp

私の娘は狼である。狙った獲物に食いついたら決して離さない。そして今回、娘に狙われた獲物は家族である。

小学一年生の次女が、人狼ゲームにハマった。いつも通っている学童で、先生たちと一緒にやったらしい。よほど楽しかったのか、家に帰ってからも「人狼ゲームをやりたい」と言う。

小五の長女は人狼ゲームを何度も行なっていて、ベテランの腕前である。一方、私と妻は人狼初心者だった。ゲームのルールと進め方を長女に教わり、次女のリクエストに応える形で、夕食後に家族四人で人狼ゲームを行なった。

人狼ゲームをしている間、次女のテンションはやたらと高かった。家族で人狼をできることが、とてもうれしい様子だった。わが子が喜んでいる姿は親としてもうれしく、私も人狼ゲームをするのが楽しみになった。

それから毎日、夜になると次女は「人狼やりたい」と吠えた。そのたびに私と妻、長女の3名は、人狼狂いの次女に捕獲された。家族団欒の時間は、人狼ゲームに支配されるようになった。

人狼ゲームをご存知の方が多いかもしれないが、ルールを簡単に説明すると、プレイヤーは村人チームと人狼チームに分かれ、ゲームマスターが進行する。人狼は夜の時間に一人の村人を殺すことができる。昼の時間に村人たちは人狼が誰なのかを推理し、狼と思われる人物を一人ずつ追放する。そうして夜と昼の時間を繰り返しながら、村人チームは人狼をすべて処刑できたら勝利。人狼チームは村人と人狼の人数が同数になったら勝ちとなる。他にも占い師や狩人といった特殊能力をもつ役割がある。

わが家の場合は四人でゲームを行うため、人狼になるのは一人で、他の三人は村人チーム。人狼を当てたら村人チームの勝ちで、外れたら人狼が勝ち。ゲームマスターは長女が兼任し、人狼一人と村人二人、占い師一人という設定で行なった。

人狼ゲームは騙し合いの心理戦だ。プレイヤー全員に一枚ずつカードが配られ、役割が決まる。人狼のカードがきたら、自分が人狼と悟られないように話しをしなければならない。村人のカードだと気が少し楽になるのだが、誰が人狼なのかを推理し、これだと思う人にかまをかける形で話しかけねばならない。

人狼は、高度なコミュニケーション能力を有するゲームである。購入した人狼ゲームのカードの手引きには「対象10歳以上」と書いてあった。7歳の次女にはレベルが高いゲームだった。

次女はもともと嘘がつけない性格で、人狼ゲームをしているときの反応はとても素直だった。次女の手元に人狼のカードがくると、動揺した表情をするのですぐ分かる。「わたし、人狼じゃない。村人だよ」と口にするが、目が泳ぐので見破ることができた。次女の素直すぎる反応を冷やかしながら、家族で盛りあがった。

それでも、さすがに毎日やっていると次女の騙しスキルは高まり、次第に見破ることができなくなった。「本当は人狼なんでしょ」と話しかけても動揺を見せなない。長女は「クールビューティ」のあだ名がつくポーカーフェイスで、こうしたゲームでは抜群の強さを誇っていた。そうして回を重ねるごとに、私と妻が負けることが多くなっていった。

そうなると勝手なもので、人狼ゲームがつまらなくなってきた。同じ四人で何度も繰り返しやっていることもあり、私は飽きがくるようになった。「人狼、もうやらなくていいよね」と内心思い始めていた。

その夜は、天狼院の第二回講座があった。初回講座は池袋駅の会場で生講義を聞いた。「第一回と第二回が重要です!」とレクチャーがあり、第二回も楽しみにしていた。第二回講座が行われる日の朝、「今夜、パパはお出かけでいないので、人狼ゲームはできないからね」と次女に伝えていた。

私の自宅から池袋まで所用時間は一時間半である。18時の電車に乗れば、19時半の開講時間に間に合う。日中の仕事を終えて17時半に次女を学童にお迎えにいった。学童から自宅は歩いて5分の距離で、自宅から駅まで徒歩10分。次女と一緒に学童から帰宅してすぐに出発すれば18時発の電車に間に合い、生講義を受けることができる。

移動時間を計算しながら次女のお迎えに行き、学童の玄関で先生に「さよなら」と手をふった。急ぎ足で帰宅しようとした直後、次女が吠えた。「今日も人狼やりたい」。

天狼と人狼が秤にかけられるイメージが私の中に浮かんだ。そして、観念した。子育ては期間限定。こうして娘が親をかまってくれるのも、あと数年のことだろう。今夜は家族の時間を優先し、わが家の狼に捕獲されることにした。

池袋行きは諦め、講座は動画で学ぶことにした。行くか、行かないかの二つの選択しかなければ、おそらく私はGo!の選択をした。しかし、動画で聴講する別な選択肢があったので家にいる選択ができた。動画中継は本当に有り難い。

こうして今夜も、わが家の人狼タイムが繰り返されたのであった。

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