ウィリアム・ブリッジズ『トランジション 人生の転機を生かすために』

今後のキャリアについてじっくり考えるべく『トランジション』を手に取った。大型書店に在庫が見当たらず、amazonで購入しようと検索すると、Kindle unlimitedで本書を見つけたのは幸運だった。

トランジションとは「人生の移行期」を指す。移行期をスムーズに迎えるためには、内的な変化(内面の再方向づけや自分自身の再定義)が伴う。

トランジションには三つのプロセスがあり(「終わり」「ニュートラルゾーン」「新たな始まり」)、以下の四つの法則が説明されている。

【法則1】トランジションのはじめのころは、新しいやり方であっても、昔の活動に戻っている
【法則2】すべてのトランジションは何かの「終わり」から始まる
【法則3】自分自身の「終わり」のスタイルを理解することは有益だが、誰でも心のどこかでは、人生がそのスタイルに左右されているという考えに抵抗する
【法則4】まず何かの「終わり」があり、次に「始まり」がある。そして、その間に重要な空白ないし休養期間が入る。

「終わり」と「始まり」について、私が好きなエピソードは金井壽宏先生の『働く人のためのキャリア・デザイン』で紹介されていた母親のケース。

「私は赤ちゃんがほんとに大好き。だけどかつての自由や気楽さはもうなくなってしまった。好きな時に休むこともできないし、自分の立てたスケジュール通りに生活することもできない。もう自分の人生ではないとさえ感じるのです」

この女性は私たちに、「終わり」のことは忘れて「始まり」にとりかかるように要求したのだが、実際は人生のある局面が「終わる」ことからくるショックに直面していた。

人は移行期になると「始まり」に目を奪われがちなのだけれど、「終わり」にカタをきっちりつけることが大事なのだ。

私が大学院に入ったのは「始まり」の仕掛けのつもりだった。しかし、どこか停滞感があり、「終わり」と向き合う必要があったと考えた。

残念ながら、人々は人生に新たな要素を付加したがる傾向にある。たとえ彼らがこの問いに対する興味深い答えを見つけ出したとしても、それを意義あるトランジションに変えていくことはできない。なぜなら新しいスタートを切るためには、「今まさに手放すべきもの」を実際に手放していくという「終わり」から始めなければならないからである。それができないことには、「素晴らしきアイデア」も「心踊るような可能性」もなんら役に立たないことが分かるだろう。

手放すことから始めよう。過去のアイデンティティになっているものを手放すべく、リストアップしたい。

そしていま、「ニュートラルゾーン」の只中にいる自覚がある。ニュートラルゾーンの章を繰り返し読んだ。

何かが終わると、人はニュートラルゾーンでしばらく(休養の)時を過ごし、それから新しい何かが始まる。人生というものは今までもずっとそういうふうに変化してきたし、これからも変化し続けるだろう。トランジションの時期を革新と変容の時にしよう。トランジションから抜け出してきたとき、あなたはトランジションに入ったときよりも強くなり、世界によりよく適応しているだろう。

ニュートラルゾーンの最中にいる人に、湖畔の別荘やシティホテルなどで篭る提案がなされる。数日間ひとりになり、目下直面しているトランジションの意味について意識的に振り返るのである。

滞在先はなじみのないところで、日常生活の影響から自由な場所が良い。これは昔のイニシエーションの旅と同じである。より単純で静かな環境であるほど、より内的な作業に入りやすいだろう。(中略)

あなたが感じた予感とか、偶然の一致とか、湧いてきた馬鹿な考えとか、朝目覚めた時に覚えている夢とかを書き留めておこう。象徴的な意味がほとんどなさそうなことでも、その場所でできそうなことがあればやってみる。(中略)

そういった行動にどんな意味があるかは、あとからわかるものだ。ここで大切なのは、そのプロセスの中で何かが怒っても、それに没頭することだ。

ということで、人生のトランジションと向き合うべく、沖縄に三泊四日で行って来ます。

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