ダンサーのFISHBOYさんの本を読みました。
オリエンタルラジオ中田敦彦さんの弟で、ダンス世界一との前情報はありました。
プロフィールからイケイケの方を想像していたのですが、本を読み進めると謙虚さが伝わります。
ヨーロッパで開催されたダンス大会で世界一になって日本に戻ったときに誰もお迎えがなかったエピソードから始まり、フェンシングのファン獲得演出に学ぶ姿勢など興味深いエピソードがいくつもありました。
そのなかでも、兄である中田敦彦さんとのやりとりが特に面白かったです。
とある番組で兄と共演したときのこと。
私が兄と一緒に食事をしながらトークするという企画だったのですが、事前にスタッフさんから私に、トークのなかで兄の昔の女性関係について質問してほしいと、こっそり指示があったのです。(中略)兄は笑いを取ることが仕事なので、その質問で兄が面白く見えるのであれば、その演出に乗ってみよう、兄もそれを待っているのだと思った私は、迷いもなく本番中、台本のようにその質問を兄に投げかけました。
ところが、その瞬間兄の表情が一変。「お前、それを誰に言わされているんだ?」
その一言で撮影がストップ。
私に指示をくれたスタッフさんのほうを見ると、彼はとてもバツが悪そうな顔をしていました。
兄は、その質問を私がしたくてしているのではなく、誰かに言わされていることを即座に察したのでしょう。私に向かってこう言いました。「言いたくないことは言わなくていい。やりたくないことは、やらなくていいんだ」
結局、その後、女性関係を深掘りすることはなく、他の話題に移って撮影は終了しました。(中略)
嫌なことを嫌と言えず、先方の声にただ乗っかってしまったら意味がないと。
大きな力に流されるのではなく、自分のビジョンを見失わず、意志を強く持っておくことが結局は信用につながっていくのだと思います。
対談もよかったです。
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