長時間労働撲滅に向けて〜過去の過重労働自慢をしない

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うつ病の防止を目的に、「明るく楽しいメンタルヘルス」というタイトルの研修セミナーを行っています。うつの話題なのに笑いが絶えないセミナーで、独立前に勤めていた親会社ほか企業や学校法人等からオファーあり、年に2,3回くらい実施します。

10年前に作ったプログラムで中身が古くなっていたのと、うつ病にあえて焦点を当てる必然性がないと感じていたなか、古くからのクライアントからオファーがあったのを機に、中身をリニューアル中。

マインドフルネス」「レジリエンス」といった新しい手法を検証しながら、働き方と休み方を考える日々。脳を活かす、もしくは、脳を消耗させないことが大事なのだなと、自分なりに見えてきました。

ところで数日来、電通の女性社員が自殺された痛ましい事件を機に、長時間労動が一気に社会問題化した感あり。ファザーリング・ジャパンの仲間である西村創一郎さんが「長時間労働を撲滅しよう」と署名運動を開始し、私も大賛同しています。

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長時間労働の問題について交わされる議論をみていると、長時間労働擁護派が一定数います。擁護派のいずれもが、自身の過重労働をベースに肯定論を語っていると感じます(自嘲的な発言も含め)。

意見はそれぞれあってよいと思います。ただ、私自身も過去にハードワーカーだったときがあり、当時のことを語ったときに、擁護派と似たような過重労働自慢に聞こえていたら嫌だな、と単純に思いました。

先のメンタルヘルスセミナーのプログラムで、当時の過重労働が原因で発症したうつ病体験をケーススタディにしており、そこは取り下げようと思った次第。

偶々読んだレジリエンスの書籍で、次の文章に出会いました。

最近、ハードワークに対して否定的な見方をする人が増えているように感じます。ブラック企業の問題やワーク・ライフ・バランスの重要性がメディアで取り上げられることもあるでしょう。または、効率的に働き、楽をすることが格好いいと考える人が増えているのかもしれません。まるで、ハードにはたらくことが時代遅れで、いけないことのように言われているのです。

たしかに長時間の労働は問題ですし、プライベートな時間と仕事の時間バランスが必要です。しかし、ハードワークを問題視する考え方に、私は違和感を感じていました。

誤解を避けるために断っておきますが、私が言うハードワークは「ロングワーク」ではありません。健康を犠牲にして長い時間働くことではなく、脳をフルに使って集中的に働く頭脳労働を指します。

問題とすべきはハードワークではなくて、ロングワーク。広告代理店のような付加価値を創出すべき仕事でロングワークしていると、脳が疲弊してロクなアイデアなんて出てきません。

長時間労働の問題については色々思うところあるので、又改めて文章まとめたいと思います。

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