大学院の課題図書『HELLO WORLD』で嬴政がデザイナーとして登場

10連休の後半に『キングダム』にハマってしまいました。

きっかけは、Netfix。家事代行の仕事を始めた妻に、Netflixこんまりさんシリーズを見てもらおうと会員登録しました。

その後、私は普段テレビを見ないので放っておいたのですが、連休中に家で時間ができて、ちょっとだけのつもりでNetflixを覗きました。そして、NHKで放映されていた「キングダム」のアニメを見つけ、ほんの時間潰しのつもりで見始めました。

見事にハマってしまいました。二日続けて深夜まで没頭し、シリーズ1とシリーズ2を全編視聴。

その勢いで、禁断の漫画にも手をつけてしまいました。

連休明け、大学院の授業「社会デザイン学への招待」で提示された課題図書で、嬴政がデザイナーの事例として出てきました。

戦を行い、敵の鼻を明かし、楯突く者を打ちのめし、敵を恐怖に陥れることに関しては、衛星は必要な能力を全て持っていた。彼に厳しい評論家が主張するほど、嬴政は地に飢えた残忍な暴君ではなかったかもしれないが、並外れて狡猾で意志が固く、機知に溢れていた。そしてこの資質は、無名の秦王朝を歴史上最も強力で永続的な帝国の一つである中国に変身させた彼の偉業に欠かせないものだった。(中略)

秦の始皇帝は、デザイン戦略をよく心得ており、私たちが今デザイン思考と呼んでいるものを存分に発揮した。自国の権力を安泰なものにするためにすべきことを見極め、さらにその結果を国民に伝える手段として活用した。彼のデザインの戦略的りようと、ナイキをはじめとする企業のアイデンティティープログラムの成功例や、バラク・オバマの大統領選挙キャンペーン時のコミュニケーション活動でデザインが果たした役割との間には類似点がある。中国の最初の皇帝もまた自己表現の媒体としてデザインを利用し、それが彼を有名にした最も大きな特徴だった。(中略)

秦の始皇帝は、生きている間にデザインを使ってきわめて効率よく富と権力を蓄積したのと同じように、デザインを利用して空想の死後の世界を作り、生前と変わらぬ輝かしい死後を迎えようとした。それは現実的な目的も果たしている。このようなとてつもないぜいたくな墓陵の造営は、彼の権力の大きさを雄弁に語る証であり、神として配置を決めた宮殿群、山の碑文、帝国の新しい貨幣と同じようにその権力の増強に効果的だった。しかしそれはまた彼の想像の内面世界を形に表したものであり、中国初の皇帝が自分をどうとらえ、歴史に自分の名を残そうとしたかを表現するものであった。そしてそれは、オリンピックの開会式や北朝鮮のアリラン祭、パリのグラン・パレで開催されるシャネルの精巧なオートクチュールショーなど、現在のデザインスペクタルの前兆でもあった。

アリス・ローソーン『HELLO WORLD』16-21頁より引用

具体的に成したデザインとして、嬴政が武器の規格を統一したことが紹介されていました。

同じ著者の最新刊『姿勢としてのデザイン』でも説明されています。

しかしながら、嬴政のデザイナーとしての功績は、武器のデザイン統一なんていう、ちっぽけなことではない。

戦争をなくすために中華統一をするグランドデザインを描き、その偉業を成したことが嬴政の真骨頂。

嬴政は歴史上最強の社会変革者である!

大学院の授業中に手を上げて、熱く語ってしまいました。すみません。。

 

 

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