名古屋のレゴランドに行きました。出張のついでに、ちょっと寄りました。二時間しか滞在していないので、大した感想は言えません。
ちなみに、レゴランドが出来た金城埠頭は、名古屋港の近くで育った私にとって馴染みの深い場所です。
名古屋港は、太平洋ベルトの中核である中京工業地帯の港湾玄関口。総取扱貨物量は平成14年から14年連続で日本一を更新中、自動車輸出台数は132万台で38年連続日本一(名古屋港のホームページより)。モータープールの広大な土地にトヨタの新車が整列した光景が、私の知る金城埠頭です。
金城埠頭には毎年モーターショーで賑わう名古屋市国際展示場があり、交通公園もあって自転車でよく遊びにいきました。又、過去に埠頭から海に車が何台も落ちており、心霊スポットで有名な場所でもあります。
と、早速ながら、レゴランドに関係のない、参考にならない話を始めてしまいましたが、そんな哀愁の漂う金城埠頭に、三十年ぶりに訪れたわけです。
レゴランドに向けて、Let it GO!ということで出発!!
あおなみ線の名古屋駅からレゴ・フィーバーが起きていました。列車もレゴランド仕様で乗客が多い。期待感が高まりました。
私が通った中学校と、育った団地を通過しました。
あおなみ線の終着駅からレゴランドまで、数分歩きます。途中、おしゃれな家具屋とレストラン街がありました。無機質だった金城埠頭がお台場と化しているのを見て驚きました。
訪問レポートを書くはずが脱線気味なので、感想から述べることにします。
・・ターゲット層ではないオッサンの意見なので、あまり参考にしないように。
レゴランドの感想を一言でいうと、、
このままじゃ厳しいなー
ネットで酷評されているようなので、ここであえて言うものではないですが、やはり入場料が高すぎてコスパが悪いと感じました。
大人6900円/子ども5300円の入場料は、家族連れで気軽に出かける料金設定ではありません。とりわけ、名古屋人は財布の紐が固いことで有名です。強気の価格に警戒を強めていると思われます。
レゴランドは、子どもをメインターゲットにしていました。TDLとUSJとはターゲット層が異なり、コンセプトも違います。ですが、レゴランドの料金設定が二大テーマパークと近いため、どうしても比較されてしまいます。
ディズニーランドの洗練かつ熟練されたサービスと比べると、オープン仕立てなレゴランドの未熟さが否応なく目立ちます。殊更にネットで酷評される背景に、TDLやUSJに匹敵する期待をレゴランドに抱いていた人が多かったことがあると思います。・・私も密かに期待していた一人です。
それでは、レゴランドのレポートです。
平日ながら、お客さんはそれなりにいました。窓口で5分ほど並び、入場券を買いました。ゲートをくぐると、レゴブロックのオブジェが出迎えてくれました。
中に入って、まず施設内をひと回りしました。大人の足で30分ほどでぐるっと回れます。TDLより狭いですが、予想していたより広かったです。
タワーに乗ると全体を見渡せました。人影がまばら。
隣接の国際展示場の方が人が沢山入っている。。(ビジネスイベントが行われてました)
レゴで作った日本の都市が展示されていました。レゴ好きな大人や外国人は楽しめます。
遊園地によくある乗り物がありました。レゴで模したメリーゴーランドなど楽しそう。
遊具が充実していました。屋根付きのスペースは雨の日も安心ですね。
ステージショーがあり、30分のショーを見ました。まるで浄瑠璃のようにレゴの人形を動かす黒子さんは見応えあります。劇場前ではレゴのキャラクターと記念撮影。
水族館に入りました。乗り物にのって魚を見て回る、ちょっと面白い仕掛けです。
ほかにもレゴを作る工程を見るファクトリーや、ゴーカードなど色々な乗り物がありました。40以上のアトラクションがあるとのこと。
しかしながら、色々あったので逆に分からなくなったのです。
ここは何をさせたいところなのだろう?
正直なところ、レゴランドが、どんな風に楽しんでもらいたいと考えている施設なのかが伝わりませんでした。その理由は、私がターゲット層でなかったせいだと断言できます。
LEGOLAND JapanのWEBサイトによると、コンセプトは「2歳から12歳のお子様とそのご家族が1日を思いきり楽しめるテーマパーク」です。
対象から大きく外れた46歳の私が感じた印象は「レゴで出来た遊園地と公園」。施設自体に対する評価は、それ以上でもそれ以下もありません。
体験型施設と謳われていましたが、そちらは今回見ていないので分かりません。でも、キッザニアほどの気合は入ってないのは確かです。
むしろ、私が抱いたイメージは「お菓子の城」に近い。そして、お菓子の城に五千円以上かけて入ることは、おそらくない。(下の画像は犬山の「お菓子の城」WEBサイトから)
ネットや口コミで評判がよくないのですが、結局のところ、ターゲット層と論評する人(ネットユーザー)のズレと、入場料の高さが問題なのだと思いました。
レゴランドの施設そのものはよく出来ていました。子ども向けのアトラクションや遊具が数多くあり、子どもたちが目一杯楽しめるテーマパークです。子どもが感想を書き込んだら、きっと「楽しかった!」の評価で埋まります。
入場料が高い分だけ、来場者の期待感が増します。そして、期待と実感のギャップが大きく、話題性があるだけに、裏切られた感想をもった人(主に子ども以外)は悪評を言いたくなるのだと思います。
年間パスポートは割安感があります。近所の人が年間パスポートを購入して、子どもを連れて何度も通うのは全然あり!と思いました。私も金城の近所に住んでいたら年パスを買います。
ただし、子どもがターゲットでも、お金を出すのは大人。とりわけ名古屋人は価格にシビアであり、保守的です。2005年の愛知万博も出足が悪く、後半になってから盛り上がっていました。
「年間入場者200万人を目指す!」と社長が目標を立てているようですが、今のままでは到達するイメージが湧きません。そこで、私は関係者でも何でもないので思いつきを述べるだけですが、四点ほど解決策を考えました。
①無料開放ゾーンをつくる
レゴランドがベンチマークすべきは、TDLやUSJではなく、ターゲットの客層を同じくする「横浜アンパンマンこどもミュージアム」です。
私はアンパンマンミュージアムのリピーターでした。二人の娘が3歳頃までアンパンマン大好きで、娘たちが行きたがりました。リピーターになった一番の理由は、無料で入れる「ショッピングモール」が充実していたことです。
レゴランドも、ショッピングコーナーを無料で開放することを勧めたいです。入口に近い「ビック・ショップ」を無料ゾーンにすることで、お試しのお客さんが来れますし、物販の売上増につながります。
今回私が行ったとき、ビックショップの買い物客はゼロでした。レゴで作った閑古鳥、もしくはガラガラヘビがあったら買おうかと思ったほど。
無料ゾーンをつくり、その人数をカウントすれば年間200万人の達成は堅いです。ついでにいえば、名古屋の人口は226万人。「8の付く日、名古屋市民は無料!」とすれば、目標達成は間違いなし。
ちなみに、アンパンマンミュージアムの有料施設は、大人1500円/子ども1500円の入場料。その値段でも、入るのにためらいが生じました。子育て世代の財布も渋いのです。
アンパンマンのコラボでいえば、アンパンマンショーの集客力が何より凄い。レゴランドにアンパンマンを呼べば、ターゲットであるファミリー層を取り込めます。それでも、親子四人で24,400円かけてアンパンマンショーに来ないだろうなぁ。
②来場者にオリジナルグッズをプレゼント
アンパンマンミュージアムがやっていて、レゴランドがすぐ真似できそうなことがあります。それは、入場者に記念品をプレゼントすること。
有料のミュージアムに入ると、子どもだけですが入場時におもちゃを貰えます。
レゴランドも入場時に、オリジナルグッズやノベルティをプレゼントしませんか。きっと、集客効果が高まると思います。
グッズに価値があれば、入場料の高さも納得がいきます。此処でしか手に入らないグッズを貰えるならば、新規・リピーターともに来場のインセンティブが働きます。
アンパンマンミュージアムのおもちゃは、定期的に変わります。行くたびに違うおもちゃが貰えるので、子どものテンションがあがりました。その姿をみて、親も「又来ようか」という気持ちになります。
もし、レゴランド入場時にプレゼントグッズを月替わりで提供すれば、きっとコレクターが現れて、毎月訪ねるコアなファンが生まれると思います。
③レストランのメニュー充実
ネットでレゴランドは、ボッタクリの評が目立ちます。とくに、「レストランが高い!」「持ち込み禁止なのに自販機のジュースが高い!」と叩かれている模様です。
ディズニーランドもレストランは高めですし、お弁当は持ち込み禁止です。なので、殊更に非難したり強調するものではないと思いましたが、改善余地は大きいです。
入場料の改定は慎重にならざるをえないですが、レストランのメニュー価格を下げるのは難しくないと思います。粛々と価格改定を進めていただければ幸いです。
私がランチどきに一番困ったのは・・
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レストランで食べたいものがない
施設内にレストランがいくつかありましたが、メニューを見るとハンバーガーやピザばかり。油っぽいのを食べたい気分ではなかったので、施設内で食べるのを諦めました。
平日だったせいもあり、レストランのお客さんはわずか。お店の前では、スタッフのお姉さんたちが健気な笑顔で手を振っていて、私のような小心者はさらに入りにくくなりました。
隣接の「メイカーズピア」という商業施設にレストラン街があったので、レゴランドを出て、ランチのお店を探しました。こちらも高めの料金設定で、お客さんがあまり入っていません。家族連れで気軽に入れるお店は見当たりませんでした。
唯一、行列が出来ていたのは CoCo壱番屋(名古屋が発祥)。並んでいるのはサラリーマンばかりでしたが。
メイカーズピアは、レゴランドと同時期に出来ました。なので、レゴランドとの連携サービスが当然あるはずと思ったら、とくに無し。ワンデーパスポートの提示で割引やデザート一品サービスなど、すぐ出来そうなものだけど。
レゴランドお目当てのお客さんが大半と思われるのに、サービスの連携がないのはどうしてだろう。デンマークの人が拒否したのだろうか。
メイカーズピアはじめ周辺施設のデザインとの一体感がなく、別の建物みたいな顔をしているのが惜しい。次に詳しく書きますが、レゴランドで私が最も残念だったのは、街づくりの視点がないところでした。
④街なみデザインの統一を
レゴランド内の空間デザインは完璧でした。レゴの世界観が余すところなく表現されています。でも、レゴランドは、施設の外には関心がないと映りました。
自分のことだけ考えている
エゴランド
というと、キツイ言い方になるでしょうか。
蛇足ですが、再入場できない仕組みも「エゴランド」の哲学が現れている気がしました。
レゴランドが、施設外のデザインに無頓着なのが気になります。名古屋駅と列車はレゴランドでイメージ付けできていたのに、駅と周辺施設にレゴランドを喚起させるものがない。レゴランドジャパン社のマーケティング担当者は、お客さんの体験価値を気にかけていない。
例えば、駅から施設に至るまでの道なり。金城埠頭駅からレゴランドは、歩道橋を渡り、家具屋の前をすぎ、駐車場からの入口合流を経て、メイカーズピアの横を抜けて到着します。その途上、壁や床のデザインがそれぞれの地点で分断されており、レゴランドへの動線が見えません。標識も少なく、歩きながら「本当にこっちでよいのか?」と不安になりました。
帰り道は道に迷いました。人波に合わせて歩いていると、駐車場の建物に入り込んでしまいました。でも「この先、金城埠頭駅には行けません」の標識はないし、たぶん行けるだろうと思って数分ほど歩くと、やはり突き当たりで引き返す羽目に。施設外の不親切さは「気が利かない新入社員みたいだ」と連想しました。
TDLでいえば、イクスピアリやホテルを含めて街全体をディズニーの世界観で統一することを徹底しています。そうしたデザイン一体化のおかげで、舞浜駅についた途端「ディズニーランドに来た!」と気分が高鳴ります。
レゴランドは、ゲートをくぐると大音量のBGMが響いて施設内の世界観一体化はできていました。でも一歩外を出ると、レゴランドの雰囲気を伝播させるものがなく、ワクワク感がありません。
道なりでいえば、あおなみ線の駅をレゴランドまで延伸できたら理想的です。小学生はともかく、乳幼児を連れて10分歩くのは結構つらい。
金城埠頭全体の街づくりを、再構築してくれないものでしょうか。レゴランドを中核に「ものづくり」をテーマにした街づくりでリデザインしたら素敵です。
何たって、日本を代表するメーカー・トヨタ自動車のおひざ元。世界に対する説得力が圧倒的です。レゴで作ったトヨタプリウスは、世界に向けてレゴと名古屋を宣伝する絶妙な素材となるはず。キャッチコピーは
eco to lego !
レゴのホテルがオープンする計画もありました。ハウステンボスみたいな3つ星ホテルができたら泊まりにいこうかな。
日本第3位の遊園地である「ナガシマスパーランド」が、港を隔ててすぐ近くにあります。水上バスで長島温泉と行き来できれば、滞在型リゾートに発展できそう。
今後のレゴランドの発展を、期待してます!
思いのほか、長々と書いてしまいました。オッサンの戯言を続けてスミマセン。私の少年時代の遊び場だった金城埠頭の話題だったので、想いが重くなりました。
最後に、レゴランドについて今だからこそ言えることがあります。
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