わざと負ける生き方

ワールドカップの日本対ポーランド戦をテレビでみました。0対1で日本は負けたのですが、決勝トーナメントに出場決定。最後はボール回しで終わりました。

サッカーについて詳しいわけでなく、ルールは知っていても戦術は全く分からないので、サッカーのことを語ることはできません。ワールドカップも好奇心で見た程度です。

試合が終わって私が感じたのは、

「わざと負ける」という選択は悪くない。

「負けるが勝ち」の諺もありますが、「勝てば官軍」が世の中で支持されている気がします。「勝ち組、負け組」と言われるようになってから、勝利至上の風潮が強まったような気がします。あくまで感覚論ですが。

わざと負けるって、意外と難しいです。

私が行う研修で「じゃんけんゲーム」の演習をよくします。二人組で後出しじゃんけん。「後出しはわざと負ける」というルールで行います。

これが、なかなか難しい。後出しの人は「わざと負ける」と頭で分かっているのに、つい勝ってしまいます。

じゃんけんは覚えたときから「勝つ」ということでやってきたので、後出しでわざと負けるルールでも、習性で勝つ手を出してしまいます。

このことは、じゃんけんに限らず、生き方全般に当てはまります。

私たちの常識、思考スタイルや行動パターンは、これまで数十年生きてきたなかで身体に染み込んでいるものなので、変えようと決意してもすぐ変えられるものではありません。

小学校の運動会を見ていてもそうでしたが私たちは勝つことを求められて育ってきたので、わざと負けるというのがとくに難しいです。「わざと負ける練習」をしたことがないですから。

そうした視点でポーランド戦の日本を見ていて、負ける戦法を貫いたのが凄い!と思いました。試合終了まで最後10分ほどはテレビからでも伝わるブーイングの嵐でしたが、冷静に負けていきました。

試合後の西野監督のインタビューを聞くと、「この選択(自力ではなく他力)は全くなかった」と発言がありました。監督はハーフタイムではむしろ、攻める指示を出していました。

そうすると、途中で負けるプランに選択を変えたのに、どうやってフィールドの選手たちが意思統一できたのか不思議でした。勝つために攻めにいく選手が出てもよさそうなのに。

監督のインタビューを続けて聞くと、長谷部選手を選手交代で投入したことが「このままでいい(負けていい)」のメッセージだったのですね。素人の私は、交代で入れるべきは本田圭佑選手じゃないのか?!と思ってしまったのですが。

選手たちもファンも苦渋を刻んだ時間だったと思いましたが、日本人の勝利至上主義的右肩上がり志向の生き方が変わる契機になったかもしれないラスト10分でした。

以上、雑な雑感です。That’s OK!

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