「パパ友」に関する実態調査の結果レポート

大学院の授業は夏休みに入りましたが、期末レポートの提出があります。提出期限は1週間後。授業があるときより、忙しくなるかも。

本日はレポートDayということで、一本目を作成しました。

「社会調査法Ⅰ」のレポート課題は「簡単な社会調査を行って、結果を報告せよ」。ファザーリング・ジャパン会員を対象に行っているインタビュー調査の一部を取り上げました。

インタビューに協力くださった方々へのご報告も兼ねて、こちらに掲載します。


パパ友に関する実態調査

①調査の目的

修士論文の研究で、父親の育児支援団体であるNPO法人ファザーリング・ジャパンの会員を対象にした実態調査を行った。インタビューで複数の質問をしたなかで、本論は「パパ友」に関して人数と定義を尋ねた内容について取り上げる。

②調査の方法

質的調査の手法により、半構造化インタビューを行なった。
・期間:2019年2月〜6月
・実施人数:32名、本問いに関する有効回答数:26名

③調査結果

質問(1)「パパ友は何人いますか?」と質問した。回答者によって人数の幅はあったが回答の最小値を採用した。
結果、平均:23.2名となった。

(表.パパ友の人数)*下段が回答者数

0人 1〜5人 6〜10人 11〜19人 20〜49人 50人以上
2名 7名 8名 2名 3名 4名 26名

質問(2)「パパ友の範囲はどこまで?」と問いかける形で、各人が考える「パパ友の定義」について自由回答形式の質問を行った。*( )は回答者のパパ友人数を表す。

  • 25年以上前はパパ会がなかった(0)
  • 地元には挨拶する程度の知り合いしかいない(0)
  • PTAの男性役員(2)
  • 保育園・幼稚園・小学校のつながり(3〜20)
  • 家族ぐるみの付き合い(5〜6)
  • 地元のサッカーコーチ、ソフトボールチームの仲間(5〜15)
  • おやじの会(10〜50)
  • 年に何回か飲む友だち(80)
  • 出張先で時間があったときに「お茶しよう」とメッセージを送る相手(200)

パパ友の定義として「子どもを通じて知り合った父親」とする方が多く、次のような回答が複数あった。

  • 保育園や小学校など子どもの同級生の父親
  • お互いの子どもの顔と名前が一致する
  • 子どもの顔が見えないとパパ友とはいえない

パパ友の関係性は子どものつながりが中心となる。そのため、「子どもの卒園や転校で関係が切れたら、そのパパ友とは会わなくなる」と述べた方が数名いた。

④調査結果の考察

・本調査は「育児に熱心に取り組んでいる父親」を対象にしているため、この結果を一般の父親には汎用化できないことを前提とする。

・パパ友の人数は一桁(10名未満)の回答が57.7%と過半数を占めた。

・最小値0名、最大値200名と、パパ友の人数には幅があった。(中央値20名)

・パパ友の定義は回答者によって異なる。「定義づけは難しい」と答えた方もいた。

・「親父の会の飲み仲間」などパパ友の範囲を広く捉えた方はパパ友の人数が多く、「ごく親しい人(家族ぐるみで付き合いがある)」等と捉えた方はパパ友の人数を絞って回答する傾向があった。

その他 考察

東が2013年に行ったファザーリング・ジャパン会員を対象にした量的調査で、今回と同様に「パパ友は何人いますか?」の質問をした。(回答数:192名、『新しいパパの教科書』学研教育出版、166頁に収録)

調査手法が異なるため単純比較はできないが、今回調査の結果とおおよそ同じ傾向といえた。


今回はパパ友の人数と定義のみ取り上げましたが、深掘りするとしたらパパ友の効用を尋ねるとともに、パパ友がいない人と対比して育児の意識や行動が異なるかどうかを確かめたいところです。

「パパ友」の先行研究は見当たらず、未知の分野。『パパ友の社会学』の題名で単行本化できるのでは?!

 

 

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