『坂の上の雲』を読了

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逗子の図書館で『坂の上の雲』全六巻を借りたのが1週間前。寝る間も惜しんで一気に読み終え、大きな仕事をやり遂げたような達成感。

司馬遼太郎さんの小説は『竜馬がゆく』を始め学生時代に集中して読んだのですが、この『坂の上の雲』だけは歳とってから読むのがよさそうに思えて、手をつけないでいたのでした。40代半ばにもなり、そろそろ坂のうえ行っとけ!という心境になりました。

ちなみに、司馬遼太郎さんが本作品の執筆にとりかかったのは、ワタクシと同じ45歳の齢でありました。

読もうと思ったきっかけは、先々週に読んだ平田オリザさん『下り坂をそろそろと下る』。オリザさんが『坂の上の雲』を畏敬する記述あり、興味をそそりました。

その後に続けて読んだ新書『司馬遼太郎に日本人を学ぶ』で「司馬作品は、この順番で読め!」と帯にあるなか、紹介された本のラストを『坂の上の雲』が飾りました(ちなみに一番目は『燃えよ剣』)。

と、ここまで引っ張っておいて、小説の感想文はとくに書きません。「元戦車兵の怒りが原点」と解説書にあったとおりで、無謀な戦争を始めた日本の軍部に対する司馬さんの憤りが全編を貫いていると私は捉えました。

昭和の軍部というのは、自分の弱みという弱みという弱みを、極大から極小まで軍部という秘密主義でつつんで、軍そのものと国家を神秘的な虚像にしていた。

といった記述など、今の原子力行政のあり方と通底している気がして、空恐ろしくなります。

さて、六巻まで読み進めた頃に、就職の相談をしていた大学4年生から内定の報告がありました。よかったね!と祝福した後、彼女が史学科で、歴史小説の雑談になりました。そして私の近況を知る由もないのに、「坂の上の雲は読む方がいいですか?」と質問あり。私は「もうちょっと歳とってからでいいよ」と答えました。

それから、連合艦隊「三笠」が記念艦となって横須賀にあることを、小説の最後に紹介があって思い出しました。近々、三笠に行っとけ!(オチはなし)

 

 

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